この記事は「雪の鳳凰三山を歩く〈1〉」の続きです。

ヘロヘロになりながらも無事に到着した幕営地の南御室小屋。
でも、本当に辛いのはきっとここから。
クリスマス寒波の影響でどれほどの寒さになるのかも想像出来ない場所でのテント泊。
果たして朝無事に目が覚めるのか!
テント設営前に南御室小屋で幕営代を払おうとしましたが、何度呼んでも小屋番さんが出てこないので先にテントを設営することに。
雪面が比較的平らな場所を探しテントを設営します。
ショベルを整地用に持ってきていましたが、今回は特に出番なし(せっかく持ってきましたし無駄に整地しているフリはしました)。
そして、今回雪上テント泊で悩んだのがペグ。
ネットで検索すると竹で十字にペグを作り、それを埋めるなどの情報がありました。
ですが、今回は西黒尾根のときと同じようにピッケル、トレッキングポール(2本)、ショベルを雪に刺して、そこにテントの張り綱を引っ掛けるようにしました。
風も強くなかったので、最終的にその方法でまったく問題ありませんでした。
テントに入り、シュラフにくるまり、ぬくぬくしているうちに気がつくと夢の世界へ〜。
この時間はなんとも表現しづらい幸せを感じます。
1時間以上寝たでしょうか、寒さをちょっぴり感じ16時頃に目覚めました。
シュラフから出たくはありませんでしたが、幕営代を払っていないので南御室小屋に向かいます。
睡眠で体が冷えたのか外がとても寒く感じられました。
小屋に入り、幕営する旨伝えると、「オーナーの計らいで、今夜はクリスマスイブなんで幕営代はただでいいですよ!」とのこと。
なんて、素敵なクリスマスプレゼント!
内心、「小屋代もタダですので、どうぞテントではなく小屋にどうぞ!」ってセリフも期待したのは内緒です。

テントに戻り、暗くなりだしたので夕食の準備をします。
ま、準備と言っても、おでんを温めるだけですが...。
寒さで冷えた体に温かいおでんは最高!(すぐに冷たくなりますが)
シメにうどんを入れて、あっさり夕食は終了!
そして、気がつく異変!
プラティパスの中の水が凍結しだしています。
とりあえず、クソ寒い雪山でテントから顔を出して星空を見上げるなんて気にもほとんどならなかったので、このまま就寝しました。
しばらくすると、あまりの足先の寒さで目が覚めました。
靴下を二重にしても冷える足先...。
ザックを足元に置いたり、色々やりますが、一時的になんとかなってもしばらくすると冷え出します。
結局、1時間位寝ては起きての繰り返し。
この足先が冷える問題は次回への課題となりました。
さて、朝は5時頃に起きました。
暗いうちに出発し、どこかで北岳のモルゲンロートを見るためです。
ですが、毎度のことながらテント内でグズグズしてしまい、出発が朝の6時過ぎ!
日の出は7時前位でしょうから、時間がありません!
半ば諦めかけ、アイゼンを装着し出発します。
南御室小屋すぐの岩の登りではいらないかなと思っていたアイゼンですが、それ以降は着けている方が歩きやすかったと思います。
朝の締まった雪に刺さり、キュッキュと雪を鳴らして歩いていきます。
なんとも言えない、心地よい音。
空も大分明るくなり始め、モルゲンロートを諦めかけたころに砂払岳の直下の開けた場所に到着。
後ろを振り返ってみると...。

なんとか間に合いました!
富士山と日の出の瞬間です!

残念ながら北岳は雲の中ですが、間ノ岳がばっちり紅く染まっています!
あまりの綺麗さに感動(伝わります?)。
寒い中わざわざテント泊して、おまけに早起きしてまで登ってきた甲斐がありました。
そして、寒さを忘れしばらくはここで撮影タイム。
何枚も何枚も写真を撮りました、ですが...、駄作ばかり...。
もう満足したし、ここで帰ろうとも思いましたが先に進みます。

砂払岳への登山道では雪は飛んでしまっていましたが、地面はカッチカチに凍っています。

霧氷。

そして、鳳凰三山の薬師岳。
目の前の薬師岳へは一度薬師岳小屋に降りてから登り返します。
垂れ落ちてくる鼻水をグローブで拭きながら、もうひと踏ん張り。

冬季休業中の薬師岳小屋。
利用しませんでしたが、トイレと休憩小屋は開いているようでした。

さあ、まもなく薬師岳に到着です。

ここでも残念ながら北岳は雲の中。
薬師岳山頂に到着しました。
薬師岳の山頂はとても広いので夏場であればとても良い休憩場所なのですが、冬季は風が強くこんなところで休憩しては瞬殺です。
薬師岳小屋で休憩しておけば良かったと反省しながら、岩陰に隠れてちょっと休憩。
凍っているパンを頬張り、観音岳へと向かいます。

白い砂礫の稜線歩き。
夏とは大分雰囲気は違いますが、やはりここは素晴らしいですね。
ただ、薬師岳から観音岳へと向うよりも、観音岳から薬師岳へと向う方が好みです。

南アルプスは雲を被ってしまい、観音岳山頂からの眺望はいまいちでしたが、薬師岳方向はとても綺麗!

時間はありましたが、今回は地蔵岳までは行きません。
寒いですし、眺望もいまいちですし...(観音岳までですら悩みましたし)。
八ヶ岳もなんとか見られたので色々と眺望的には不満が残りましたが、戻ることにします。

富士山を正面に見ながら薬師岳までは戻ります。
これがここの稜線が好きな理由かも。

危険と思う箇所は今回のルートではありませんが、唯一死ねるなと思える場所がこの辺り。
右に滑落したら...。

楽しい稜線歩きもあっという間に終わり、あとは憂鬱な下山。
南御室小屋に戻りまずはテント撤収!
毎回不思議なのですが、行きは綺麗にザックに収まっていたのに、帰りはなぜか溢れ出す荷物。
食料なども減っているのに...。
仕方ないので、入らないものは外にプラプラとぶら下げたり、雨蓋で挟むことにしました(ぎゅうぎゅうに冷たかったのですが、あまりに寒く、手に力も入りませんでした)。
南御室小屋からはアイゼンを外して下山しました。
頭の中は温泉でぬくぬくすることと、なぜか中華を食べたいとの思いで一杯でした(登る前は南ぷす食堂に行きたかったのに)。
そして、苺平を越えてすぐのところで転倒!
石の上で滑りました。
たぶん前日に下山してきた方が滑って転んだのを目撃した場所。
気を抜いていたつもりなどはありませんでしたが...。
おまけに左手小指を突き指。
頭を打ったりしなくて良かったです。
下山で一番辛かったのは杖立峠から夜叉神峠まで。
こんなにも登ったのかと思うほどの、延々とした下り。
ちょこちょこと休憩しながらも温かい温泉に浸かっている姿を想像しながらがんばって下りました。
それにしてもこのルートを日帰りで歩く人もいるのですから、ほんと尊敬します。
夜叉神峠から夜叉神峠登山口までの道でも何箇所か滑りましたが、転倒することなく無事に下山。
久々に山に登ってきたぞ!といった充実感を感じました!
夜叉神の森の自動販売機で飲み物を買うと「メリークリスマス!」と言われました。
あ、クリスマスだったんだ...。
さて、来年のクリスマスはどこに登ろうかな...。
下山後は金山沢温泉が休みでしたので、天恵泉白根桃源天笑閣で温まってから帰りました。
※南御室小屋からすぐの登りを登りは冬道、下りは夏道を歩きましたので、若干ルートは異なります。
登山日:2011年12月24・25日
カメラ:EOS 60D EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS II
Flickr:2011.12/鳳凰三山


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