
尾瀬から草紅葉の便りが届き始めた9月の3連休後半。
日本各地で大暴れした台風15号(ロウキー)の台風一過に期待して尾瀬へと車を走らせた。
今回の尾瀬への入口は福島県桧枝岐村(ひのえまたむら)の御池。
ここは一番近い東北道の西那須野塩原ICから一般道で100km程度はあるのでなかなか遠い。
だが、初めて行く尾瀬への期待からかその距離はまったく苦ではなかった。
御池へと向う深夜の国道352号線を走る車は少なく、また信号もほとんどないので自然とスピードが上がってしまう。
ところどころ雨の影響なのか、震災の影響なのか、道路が荒れた箇所もあった。
ナビの到着予想時間よりも1時間以上短縮し、御池の駐車場へと着いたのは朝方4時前頃だった。
駐車場の少し手前で車を停め、空を見上げたときは満点の星空が広がっていた。
このまま朝も天気が良いことを願い、しばし仮眠を取ることにした。
周りからガヤガヤと声が聞こえ出し、セットした目覚ましのアラームより前に目が覚めた。
快晴の予定だったが、残念なことに曇っている。
ほんの数時間前はあんなにも晴れていたのに。
出発の準備をしているグループはレインウェアを着用しているではないか。
雨は降っていないので防寒用だとは思うが、もしかしたら天気予報が雨へと急に変わったのではないかと不安を感じた。
こんな天気ならば慌てて出発する必要もなければ、むしろもう少しここで時間を潰して天候を見極めてから出発してもいいだろうと考え、再び眠りについた。
(睡眠時間が1時間程度だったので、もう少しだけ眠りたかったことへの言い訳でもあるが。)
朝7時前、やはり曇りのまま天候は変わっていなかった。
残念だが、出発の準備をする。
ただ、時折晴れ間が見られるので、歩き出してしばらくすればもしかしたら晴れるのではないかと期待した。

御池から尾瀬へ入るには3つの方法がある。
まずはバスを利用する方法。
バスで沼山峠まで行き、そこから尾瀬沼へと歩いて向う。
残りの2つの方法では御池から歩いて尾瀬へと入る。
歩くと言ってももちろん舗装された道を歩くのではなく、木道であったり登山道。
今回は行きをその2つの方法のひとつである燧ヶ岳に登るルートから、そして帰りをもうひとつの方法である燧裏林道を歩くルートに設定した。
御池から歩いて尾瀬へと入るための入口は駐車場の一番奥にある。
駐車場入口側からは200m位はあるだろうから、このルートの場合はなるべく車は奥へと停めることをおすすめする。
ただしその場合はトイレや売店のある「山の駅 御池」からは遠くなるので、事前に用事は済ませておいたほうが良いでだろう。
(駐車場が空いていれば駐車場内を車で移動すれば済む話しですが。)

登山者数をカウントする機械の設置されているゲートを通過し、いよいよ燧ヶ岳への登山が始まる。

最初はとてもきれいな木道。
ただし数十mも歩くと、燧裏林道へと向う道と別れ、ぬかるんだ登山道が現れる。

木の根や石を利用しぬかるみを歩かないように気を使いながら歩くが、ときにはぬかるみをどうしても歩かねばならない箇所もあり難儀した。

木道の下は池になっており、また階段の段と段の間にも水が溜まり、石のゴロゴロとした登山道は小さな川と化していた。
これは台風の影響なのだろうか、それとも普段からこのような登山道なのだろうか、そんなことを考えながら歩いていた。
歩き出してから1時間位経過したころ登山道の雰囲気が変わり木道を歩きだすこととなった。

それからしばらくすると今度は黄金色に染まり始めている湿原へと出た。
前方に人が見え、広沢田代に到着したことに気が付いた。

青空の元、広沢田代から見られる池塘と草紅葉の素晴らしい景色を楽しみにしていただけに、この景色には正直ガッカリした。
この先の熊沢田代でも同じような景色かと思うと正直気持ちも萎えた。
あまりゆっくりすると本当にこの先へと足が向かなくなりそうだったのですぐに歩き出すことにした。

濡れた木道はとにかく滑る。
慎重に歩みを進めても、滑り出したならばもうどうしょうもない。
実際、何度か尻餅をついた。
最初は転んだことが恥ずかしく、誰にも見られていないことを確認するために振り返ったりした。
だが完全に見られていた...。
しかしその直後、後ろからも滑って転んだと思われる音が聞こえた。
それ以降は転ぶ恥ずかしさよりも、転んで怪我をしないように気を使うようにした。
再びぬかるんだ登山道へと戻る。
木道の滑る緊張感から解放され、幾分楽になった。
だが、それも長くは続かず、再び湿原の木道を歩き始める。
それにしてもあたり一面ガスでなんとも残念だ。

そして熊沢田代へと到着した。
熊沢田代ではザックを下ろし、しばし休憩。
後から登って来た方と少し会話をし、今回のこの残念感を共有した。
この頃から雲の上にうっすらと太陽が見られるようになってきた。
過度な期待は裏切られたときのショックが大きいので期待しないようにしたが、それでもやはり期待をしてしまう。
以前どこかで熊沢田代一帯を上から写した綺麗な写真を見たことを思い出し、出発することにした。

緩やかな登りの木道を歩き、熊沢田代方面振り返ってみた。
やはりダメだった。
木の根、石、水たまり、笹原。
燧ヶ岳山頂を目指して登る。
ここのところ南アルプスに鍛えられているおかげかそれほどこの登りは苦ではない、天候を除いては。

ガレ場の直登では紫色のオゼヌマアザミが沢山咲いていた。

そして、そのガレ場を終えるとトラバースする箇所が出てくる。
ここは木道が斜めになっているので、木道上は歩かずに山側を歩くほうが良いだろう。
さあ、燧ヶ岳山頂まではあと少し。

そして、燧ヶ岳山頂のひとつ俎嵓(2,346m)へ到着。
大きな岩のゴロゴロしている山頂には標識のようなものは見当たらず、あるのは祠と三角点。
天候が良ければ眼下に広がる尾瀬沼を一望することが出来るのだろうが、残念ながら今回は何も見えない。
しばらく休憩し、もう一つのピーク柴安嵓(2,356m)へと向うことにした。
柴安嵓へは一度下り、登り返す必要があるが、数十分であるので大したことはない。
最後に岩場を登れば柴安嵓へ到着である。

柴安嵓は俎嵓とは異なり広々とした山頂を持ち、多くの人々が休憩をしていた。
最初からこのことがわかっていれば俎嵓で休憩せずにすぐにこちらに向かったのだが...。
疲れてはいなかったが、せっかくなのでゆっくりと休憩を取ることにした。


柴安嵓には立派な石柱の山頂標識と木製の山頂標識があった。
2,356mという標高は大して高いとは思わないが、ここ燧ヶ岳よりも北にはこれ以上高い山がないと思うと、この高さへの考え方も少し変わる。
日本の北方で一番高い場所に立っているのである。

しばらく休憩をしていると急に青空が広がり、目の前には尾瀬ヶ原の景色が広がった。
これから向う今夜の幕営地の見晴地区もとても良く見える。
だが、雲の流れがとてもはやくすぐに隠れてしまう。
それでも本日一番の光景に自然と気分は盛り上がったのだった。
「燧ヶ岳と尾瀬〈2〉」へと続く。
登山日:2011年9月23・24日
カメラ:GXR A12 28mm
Flickr:2011.09/燧ヶ岳・尾瀬


- 燧ヶ岳と尾瀬〈2〉(40 hits)
- 南アルプス早川尾根縦走〈2〉(14 hits)
- 山でカップヌードルごはんを作った(6 hits)
- 日本百名山(5 hits)
- 南アルプス早川尾根縦走〈1〉(5 hits)



















